一人っ子遠距離介護、私の場合⑫ グループホームを選ぶまでの流れ
介護サービスを色々使いギリギリまで自宅で独居生活を送っていても、いつかはそれも難しくなる。そうなった時、母のような認知症のひとが入居する代表的な介護施設は「グループホーム」ということになる。
グループホームって何?
ネットで見ると、『病気や障害をかかえ、かつ認知症の高齢者が、専門スタッフの援助を受けつつ5人から9人のユニットで共同生活する介護福祉施設』(「みんなの介護」より引用)とある。入居条件は
- 65歳以上で要支援2~要介護5の人
- 認知症の診断を受けた人
- 施設と同一地域内に住民票があること
ある程度自立した生活の出来る認知症の人が、出来ることをやりながら暮らす「家」だということだ。
実際、母のいるグループホームでは、元気な人がご飯の時にテーブルを拭いたり、食器を洗ったり、洗濯物を干したりしている。昼間は、リビングでゲームをしたり、ラジオ体操をしたり、テレビを観たり、思い思いに過ごしていて家庭的だ。
大きなリビングとキッチンを囲んで個室が9室、お風呂やトイレ、事務室がある。
グループホームを決めるまでの流れ(私の場合)
とにかく早めに沢山見学⇒早めに申し込みを出す。これにつきると思う。
私は、ケアマネさんに頼んでグループホームのリストをもらい、8ヶ所見学した。(毎週一ヶ所ずつ2か月かかったところで、ここが良いと思ったところに申し込んだ。)
施設の管理責任者から話を聞いたほうがいいので、事前の電話は必須。(管理責任者は土日不在のことが多い。)
施設の造りは、どこもそれほど変わらない。リビングダイニングを囲んで個室が9室と決まっているから。しかし、8ヶ所見ると随分雰囲気が違うなぁ~と思った。気を付けて見たのは
- 施設は清潔か?(玄関にゴミが落ちていたり、枯れた鉢植えが散乱している所もあった。トイレやお風呂はきれいか?廊下などにものが置いてないか?)
- 匂いはしないか?(これは意外とポイントである。)
- 部屋の広さ・付属物・日当たり(入居するとしたら何を自分で持ち込むのか?)
- スタッフが明るく働いているか?
短時間で色々見るのは難しいが、個人的に一番大切なのは「スタッフが明るく働いているか?」だと思う。入っていった時に、スタッフの人が明るく感じよく挨拶してくれるところは、職場環境も良いのだと思う。働いている人の穏やかな雰囲気を入居者は敏感に感じる。明るい雰囲気のホームは入居者も明るくて穏やか、安心して暮らせると思う。(ウソみたいな話だが、私が見学したあるホームでは、スタッフの男性がくたびれた感じで案内してくれたのだが、彼の着ていたTシャツの背中に「もう疲れ果てました」と大きく書いてあって唖然とした。。)
どこのホームでも、立派なパンフレットを用意している。だが、実際に見て、話を聞くのが一番だ。ホーム長さんが、きちんと資料を見せながら介護の理念(何に重きをおいて介護しているか)、そこでの生活の流れ、季節の行事、地域とのかかわり、などについて話してくれるとかどうか。要は、母を大事にしてくれるかだ。
私が、今母が入居しているホームに決めたのは、
- ホーム長さんが丁寧に質問に答えてくれたこと
- スタッフを含め、明るい雰囲気だったこと
- 施設が広く、清潔だったこと
が大きな理由だ。が、もうひとつ決め手があった。それは、少し聞きにくいことだったのだが、「看取りはできますか?」ということだった。ホーム長さんは「医療行為が限られるので、病院のほうが本人が楽なら病院に入っていただきます。でも、そうでないならここでちゃんと看取りますし、そういう方もいました。」というものだった。
グループホームは定員が少ないので、比較的待機が長いと言われる。結局、母が入居したのは2年後だった。母は(初めこそ馴染めない様子だったが)、今では行くたびに元気さを増していて、みんなとコロコロ女学生のように笑って暮らしている。
私の選択は正しかった、頑張ってあちこち見て歩いて良かったなぁ~と思うのである。