一人っ子遠距離介護、私の場合⑨ 介護が始まってすぐ準備したもの・こと
母が入院。退院後の遠距離介護に備えて、(入院中から)すぐ取り掛かったもの・ことについて。
何はともあれ、介護認定を受ける準備
退院してからやおら準備を始めても、実際に認定がおりるまでは時間がかかる。入院中にできることは沢山ある。
- 病院のソーシャルワーカー・居住地域の地域包括支援センターに相談する。退院後は独居に戻るため、すぐに介護サービスを受けたいことをしっかり伝える。
- 入院中に「要介護認定申請書」を出しておく。
- 認定に必要な「主治医意見書」を誰に書いてもらうか決める。(母の場合は、入院は循環器内科だったが、意見書は認知症の診断を受けた精神科で書いてもらった。)
退院後はすぐケアマネジャーさんを決め、認定が下りる前に前倒しで介護サービスを始めてもらった。結局認定がおりるまでは、だいたい一ヶ月かかった。退院してから準備だと、もっと後になっていたと思う。
限度額適用・標準負担額減額認定証を申請する
これはけっこう大事。医療費には上限額があり(年齢や収入によって金額は異なる)、それを越えた分は申請すると戻ってくる。戻ってくるのにかかる時間はおよそ三か月ほど。限度額適用・標準負担額減額認定書を病院の窓口に出すと、支払いの段階で減額してもらえる。これがあるとないとでは、支払額はけっこう違う。
何でもこちらから申請しないといけないことばかりだ。積極的に自分で調べて自分で動くのが大切。
介護に使えるお金の準備
正直、介護にはお金がかかる。医療費は公的な健康保険があり、上記減免も利用できる。介護サービスは介護保険で1,2割負担ですむ。(それだって、それなりの負担額にはなるんだけど。)でも、それ以外が結構かかるのだ。
- 交通費 これが一番かかる。
- 介護保険外の出費 配食サービスで弁当など配達してもらう。
- 介護用品 歩くのが不自由になれば杖・歩行器、人によってはオムツなど
基本的には、親の介護には親の蓄えを使うこと。そのためには、親にどれくらいの貯金があるのかをきちんと聞いておく。できれば、キャッシュカードと通帳を預かること。
かかった分はそこから出して、出納長に書いておくこと。
グループホームなどの施設を見学・申し込みをする
まだ介護が始まったばかりで、施設の見学なんて早いんじゃないか。いくらなんでも冷たいんじゃないか…とか思いがちだが、そんなことはない。
出来るだけ穏やかに今の生活を続けてほしいと心から願っている。でも、遠距離介護で、こちらは一人っ子。同居はしないと決めている。ならば、いつか母がもう一人では暮らせない状態になった時、より良い環境で暮らせるように施設を探しておくべき。
いつ何がおこるかわからない。ある日突然、体調が悪くなったり、転んで骨折したり。思いもかけないことが起こって、自宅で暮らせなくなる可能性が高いのだ。そのときになって、慌ててどこかへ入居させたいといっても、どこも待機者でいっぱいで入れなかったら…。
いくら、「入居したい」と言っても、空きがなければ入れないのだ。
空きが出来て施設から打診があっても、まだ入居の時期でなければ延期してもらえる。待機者名簿の一番上に名前をキープしておけるのだから、とにかく早く申し込みだけはしておくのが賢明だと思う。
ケアマネさんにもそう勧められて、早々に見学に歩いた。実際に行って自分の目で見ると施設もさまざまで、正直「ここには入れたくないわ~」と思う所もいくつかあった。
暇を見て見学したのは8施設。そこまで見たところで、「是非、ここに入れたい!」と思う施設が見つかったのでそこに申し込みを出した。その時点で、待機8名。結局、そのグループホームの空き状況と母の事情が一致して入居したのは、申し込みから2年ほどのちである。タイミングよく入居できたのは本当に幸運であった。