一人っ子遠距離介護、私の場合⑩ 一人っ子で遠距離でも絶望することはないのだ‼
ある日突然起こる、親の介護問題。そして自分は一人っ子。自分しかいない…。
一人っ子なら、生まれた時からうすうす感じていた「私が一人で介護しなければならない。」が現実になる時。
少子高齢化の昨今、そういう人は沢山いる。というか、今後ますます増えるだろう。
一人っ子と一人っ子が結婚した場合、2人で(最大)4人の親を介護することになる。
いくら「子供としての責任感」を持っていても、「親孝行で、優しい気持ち」を持っていても、大変なものは大変なのだ。
でも…大変なことばっかりかなぁ~~?
考えようによっては、辛いことばかりではないと思う。
自分1人で判断し、自分の裁量で動ける
この利点は大きい。(勿論、1人で物事決めるのは荷が重い時だってあるけど。)
例えば、兄弟姉妹が沢山いて、何か介護について決めようという時にすっと物事決まるだろうか?
- みなそれぞれの家庭を持っている。(それぞれに配偶者もいる)
- 近くにいる者もいれば、遠隔地の者もいる。
- 経済状態もさまざま。
集まるったって、そう簡単じゃない。みんなそれぞれの事情を持っていて、親に対する気持ちに温度差だってあるだろう。いわんや、配偶者をや!
その点、一人っ子は気楽ですよ。全部自分で決められるんですから。
揉めることなく(自分のなかでの葛藤はあるだろうけど、人と揉めるわけじゃない)、時間が掛かったり調整する必要もなく(ま、決断に時間がかかることはあるけど)、
自分のペースでさくさく進められる。
いろんな事情を考えて、計って、調整して…といったことに時間をとられることなく、
「最大限の親の幸せな生活」と「最大限の自分の幸せな生活」のために、ガーっと頑張ればいいだけ。
将来の施設入居に際して、遠距離介護のほうが入居しやすい(かもしれない)
大抵の介護施設は、すぐは入居できない。申し込んで「待機」ということになる。しかし、特養などのみんなが入りたい施設は、介護度が高い方が入居しやすいわけではない。「緊急性」というキーワードがあるのだ。
家族のみの在宅介護でで問題なくやってこれた場合、いざという時申請しても、今までこなせたという実績で「緊急性」が低いと判断されて、優先順位が下がる。今まで出来たんだから、やれるでしょ?ってことだろう。
同居の在宅介護よりは、遠距離で介護者が一人っ子で仕事もってるほうが、どう考えても「緊急性」があるということだ。
親との距離が取れる
遠距離介護のネックは、その距離なのだけど。でも、その距離が大切なこともある。
いくら仲良しの親子でも、いくら親孝行な子供でも、24時間そばにいての介護は並大抵ではないと思う。
親子だからこその甘えや遠慮のなさで、イライラをぶつけたり、優しできなかったりすることも増えてくる。許されることではないが、それがエスカレートして虐待がおきたりもする。実際、高齢者への虐待で一番多いのは家族からの虐待なのだ。
その点、遠距離介護だと親との距離が保てる。勿論、大変ですよ。移動に時間もかかる、疲れる、緊急時に駆け付けるのも大変だ。でも、物理的に離れていれば、ちゃんと冷静になれる。イライラしても、帰りのバスの中で気持ちを切り替えて次に進めるのだ。
そう思ったので、私は母がその後入院した時も、圧迫骨折した時も、どんなに遅くなっても自宅に帰った。夜中に帰って、またすぐ早朝のバスで戻るというのを1週間続けた時はさすがにヘロヘロになったが、とにかく「自分の家」に帰り続けた。自分の場所にちゃんと戻る、そこで気持ちを落ち着けて行動したかったので。
ず~っと一緒にいてギスギスした関係のままお互いくたびれてしまうより、離れていて会う時はいつも機嫌よく優しいほうがいいのではないか。
勿論そのためには、やらなきゃならないことはたくさんある。たくさんの人に助けてもらって、独り暮らしの母の周りに色んな種類のセーフティーネットを張り巡らさなければならない。調べたり、申し込んだりすることもたくさんある。でも、自分で行動していれば、ちゃんと何かしらの道は見えてくる。出来ることは、ある!
ものは考えよう。一人っ子で遠距離介護だって、大丈夫。