一人っ子遠距離介護、私の場合⑦ 食事をどうするか?

母はもう料理はしなくなっていた。ご飯だけは長年の習慣で鍋で炊いていたが、おかずはピーマンを炒めて卵でとじるものくらいしか作れなかった。

 

認知症が進むと、調理が難しくなるという。材料をそろえて、段取りよく切ったり洗ったり、何かを火にかけながら一方で洗い物をするとか、そういう順序だてた作業が難しくなる。買い物も、買ったことを忘れるので、同じものばかり買ってしまう。冷蔵庫に豆腐ばっかりいくつも入ってたりする。

 

また、母は普段から火を使い終わったらすぐ元栓を閉める習慣があったが、それもそのうち忘れるようになるかもしれない。火の不始末は怖いので、料理は不安だった。

 

それで、生協の配食サービスを頼むことにした。

 

月曜から土曜まで、晩御飯のお弁当だ。母はご飯は炊くので、ご飯なしのおかずのみで、減塩低カロリー食にした。(心不全なので、減塩を心掛けるよう言われていたので)

 

毎日3時頃に配達してくれて、デイなどで留守の時は保冷箱で玄関先に置いてくれる。配達は、安否確認にもなる。

 

ただ、母はあまり食べてはくれなかった。結局、一人で食べるのは食が進まないのだ。

デイでは残さず食べられるのだから。

 

少しでも食べられるようにと思って、母の好きなものを私が持って行くようにした。たとえば、煮しめや南瓜煮、炊き込みご飯など。歳をとると、食も保守的になって限られてくる。新しいものは嫌がり、食べなれたものしか受け付けなくなるのかもしれない。

 

日曜には夫と二人で訪ねて、母を連れて外食に行くようにした。3,4品をみんなで取り分けて食べる。少しでも外にでる機会を作りたかったし、母も楽しそうだった。

 

結局、

   朝…ご飯を炊いて、冷蔵庫にあるものを食べる

   昼…週3,4回はデイサービスで。あとは自分でパンなど

   夜…配食のお弁当。日曜は私たちと外食

となったのだ。

 

自分で食べる時は適当になったり、ちょっとしか食べなかったり。でも、デイサービスのお昼のお陰か、退院時35㎏くらいしかなかった体重も1年ほどで40㎏近くになった。